OHYA CHEMICALS CO.,LTD  00.10.11

保持点

塗装は、塗料が固まるまでの間にどうしても粘着性をもった状態を経なければ成り立ちません。そのため、硬化装置(加熱炉など)と製品との接点は固着することが避けられず、これを保持点欠陥と呼びます。

塗装の保持点を設けることは製品の構造設計のうえで重要ですが、ときに忘れられがちで、製品外観に重大な支障を及ぼすこともあります。

保持点を完全に無くす場合にはコストが上がる可能性が高くなります。振動や特殊な製品の移動を利用した高度な方法は製品の大きさや形状に制約があったり専用設備を必要とします。一回硬化を終了した後保持点を再度塗装して別の保持点を使用して硬化させる方法は手間がかかるうえ塗装膜を均一にするのが困難です。製品にネジ穴を設けて、この穴に塗装硬化後に外してしまうネジを付け、このネジを保持して塗装する方法もありますが、重量品や厚膜塗装には向きません。

最も一般的なのは穴を開け(取付用や組立用の穴を兼用できるようにする。)、この穴を引っ掛けて塗装する方法で、最小限の保持点欠陥で済み、塗装の工数もさほど増大しません。

ただし引っ掛けたときの製品のバランス塗りにくい箇所が生じないかどうかには注意しなければなりません。さらに浸漬型の塗装前処理や電着塗装を行う場合には空気溜まり処理液溜まりを常に考慮する必要があります。(浸漬適性の説明リンクもご覧ください。)

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